国枝厩舎の２歳牝馬ルージュスエルテの調教に報道陣ざわつく「来年のダービーに行きましょう」

１４日朝の美浦トレセン。１頭の２歳馬の動きに調教スタンドの報道陣がざわついた。緑のゼッケン『１６』を着けたルージュスエルテ（美浦・国枝栄厩舎、牝２歳、父ハーツクライ、母リュズキナ）が、Ｗコースの直線で他馬が止まって見えるほどの加速力を披露。目測でもかなりの速さであることは分かったが、表示されたラスト１ハロン１０秒７（５ハロン６５秒６）を見てさらに驚いた。

時計が出やすいコンディションとはいえ、１ハロン１０秒７の数字はなかなか出せるものではない。この日でいえば、古馬準オープンのチャックネイトと並ぶ最速。２歳馬が５ハロンからまともに追い切って出した数字としては破格だ。感触を聞くために、厩舎作業が終わるのを見計らって国枝厩舎へ。ルージュスエルテを担当する中村助手に声をかけると「今日で３人目ですよ」と笑顔で応じてくれた。

「来週の競馬を予定しているのであえて動かしていきました。（併せ馬で）後ろからいっての反応も見ましたが、抜け出していくときのアクションがすごくダイナミック。まだ馬体は緩いですが、追ってからの背中の芯の強さがすごい。初めてしっかり動かしましたが、とてつもない瞬発力でした」

ハーツクライ産駒の最終世代で、半兄に京都新聞杯を勝ったレッドジェネシスがいる血統背景も優秀。過去にカレンブーケドールなども担当した腕利きは「期待せずにはいられないですよ。牝馬ですけど、先生（国枝調教師）には『来年のダービーに行きましょう』と何度も言っています」と笑った。

ルージュスエルテは初戦でどんな走りを見せてくれるのか。菅原明騎手とのコンビで予定している２４日の東京新馬（芝１８００メートル）が待ち遠しい。（東京サンスポ・板津雄志）

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